もう10年以上も恋い焦がれていた金沢。
いきたいんですよねぇと言い続けてきていたある日、金沢出身の方に話したら「そんなん、さっさと来たらいいやん」と言われ、それもそうだ。さっさと行って次に行きたいところに進めるようにしよ、と思い立ちチケットを手配した。

金沢は現代建築の天国なので建築ラバーにはたまらん街。また、食べ物も魚介を中心に美味いと聞くし、旅までの日々、ずっとワクワクしてた。

今回の目的は世界的建築家、谷口吉生センセーの建物を見ること、魚介を食べること、そして地元のおっちゃんおばちゃんニーちゃんと仲良くなること。

ただ美味しいものを食べることには興味なし。ただ安いことにも興味なし。観光客向けのただの観光地にも興味なし。とにかくストーリーのある旅を求めてスタート(^ω^)

今回はマイル使いたかったから飛行機で小松空港✈️へ。羽田から40分。近い!
石川県のゆるキャラ、ひゃくまんさん。かわいい。
空港シャトルバスで金沢へ。40分1130円。
最初の目的地はSANAAの21世紀美術館。
シャトルバスを金沢駅で降りず、終点の香林坊で降りるとちょうどよし。
どこを切り取っても美しい。
開館と同時に入ったけどすでにチケットの列が。小学生の団体めっちゃいた。
これがあの!
SANAA建築の楽しみの1つに家具のセレクトもあり。オリジナルはもちろん、空間に合わせて使われる家具は大体透明感あったりちょと華奢だったり。柱が特にだけど、全体的な線の細さが好み。
続いて徒歩10分ほどの距離にある鈴木大拙館へ。谷口吉生センセー作品。
谷口センセーの好きなマテリアル。右の壁面の石は香川の東山魁夷せとうち美術館でも似たようなの使っていたかも。
石の種類を微妙に変えているのも萌え。。
すっかり満足。SANAAと谷口センセーの作品が10分圏内にある天国味わったらもうだいぶ満足してもうた。

でも腹は減る。ということでバスで近江町市場へ。
名物の甘エビやらバイ貝を眺めつつ、近くの寿司屋へ。
貸切で誰もいないからおやっさんとおしゃべり。
まずはのどぐろ。うまー
甘エビと白エビ
ちなみに、写真撮るときはちゃんとお店の方に断りをいれる。あと、『撮るけど点数つけたり批評しないんで』っていうと大体心を許してくれる&けっこう高確率で本音を語り出してくれて仲良くなれる。w

そのまま満腹の状態で市場内のいっぷくさんで金沢おでん。日本酒は手取川。
こちらの車麩は巨大で、ダシがしみしみでおすすめとグルメ友だち推薦の一品。たしかにしみっしみでじゅわわで美味しかった(^ω^)赤巻もうま。
腹が満たされたから消化せねばとウロウロ。エレベーターの名前変。
と、そこに謎のキーホルダー売りコーナー。
よく見るとセルフサービスと書いてある。
もぎとるかちぎりとるか。取り方のニュアンスに萌えw
金は牛乳パックに入れろと。ここではもぎとってと。
眺めること五分。買ってしまった。。。
本当は300円のが欲しかったけど小銭がなくて250円のを買う。
その後も気になる夫婦が現れたり。意外と売れるのかもしれない。
ふと見るとそんなセルフサービスの向かいにメロメロポッチなる喫茶店が。
ヤバい。すごく臭う。これはなんかあるでしょ。。
入るとそこはなんとも言えない異空間。純喫茶ほど暗くないし、かといって明るくもないし、なんだか全然よくわからん店の作り。た、楽しい。
マスターのにいちゃんに聞くと閉店時間は気まぐれ。夜7時に閉まることもあれば朝4時までのときも。ライブもあって、パンクかアコースティック。え?パンクかアコースティック?なんだその振り切り方は。とかとか話していたら居心地よくて1時間くらいたったか。たくさん夜のおすすめの店や焼き物屋さんや変な店情報聞いてでる。メロメロポッチサイコー。
※メロメロポッチは山さん寿司のすぐ隣です。
にいちゃんに教えてもらった焼き物屋さんで皿を買う。
初めての九谷焼。空港や東茶屋街では同じものがここよりも1.5倍の値段で売ってた。
ちなみにメロメロポッチ隣の山さん寿司は多いとき50人くらい並ぶんだとか。
時間がもったいないね!
石川弁、関西ほどきつくなくて柔らかさがあってとても好き。
にいちゃんに教わった古本ガラクタフェア。紙芝居買わなかった。
近江町市場から徒歩10分ほどのところに玉川図書館。谷口吉生センセーと谷口吉郎センセー親子の唯一の共同作品。築年数はかなりのものだけど、経年の良さがにじみ出てていい空間でした。
  
で、また市場に戻って、甘エビとボタン海老を買う。
宿に向かう途中にあったおしゃ雑貨屋さん
ん?和室?椅子??
和菓子とおしゃ雑貨を売る店だった。
謎。
とりあえず上生菓子食べる。
店の名前忘れた。橋場の近くです。
ほんで、ゲストハウスに到着。
シェアキッチンでさっき買ってきた海老をさばく。
天狗舞と甘エビ。
剥いた。ヘタッピだった。YouTube見たけどうまく剥けなかった。悲しい。
でも、ウマー!
ガス海老も買えばよかった。地元の人はガス海老の方が好きなんだとか。甘エビよりも甘〜いのだ。
ちなみに泊まったのはハッチ。最強におしゃで、キレイで、安くて、サイコーのゲストハウス。友だちのおすすめで来たけどここにしてよかった!

エントランスで金沢のお土産品や雑貨が販売されてる。
カフェもあって、夜はお酒も飲める。接客もとてもよくて、また金沢来るときもここにする!

この日は中秋の名月観賞会をやるから兼六園が夜間も開放されているというので行ってみることに。
ライトアップされてるかと思いきや、月を見る日だから逆にライトというライトがほとんど消されていてただの大雨が降る真っ暗闇の巨大公園だった。
端的にいうと‘地獄’だったw 
暗いし怖いし寒いし心細いし。
ただの肝試ししてきたw
その流れで向かいの神社へ。ここも誰もいない。屋台は空いてるけどその店主すらいない。みんな何かに消された感。。
ん!お!!!
誰もいないところに振る舞い酒がなんと20本も!しかもほとんど口あけでほぼ満タン状態。地獄からの天国!!
ただ、本当にひとっこ1人もいないので飲んでいいのか、、と思ったけど、勝手に飲んだ。たくさん飲んだ。シアワセ〜(^ω^)
そしたら近くの売店におっちゃんがいるのを発見。しばらくおっちゃんの娘さんの話とか私の変な旅の仕方の話をする。
そしたら雨の中こんなとこまで来てくれてありがとうとオマンジュウくれたw
しばらくすると神社の宮司さんも来て一緒に飲みはじめた。神様のことたくさん教えてくれたけどもう酔っていて具体的なことは忘れたけど、とりあえずファンキーな宮司さんだった。あれほんとに宮司さんだったのだろうか。。

※その後他の店で宮司さんのこと聞いたらみんな知ってて変わり者だけどとてもいい宮司さんだと。振る舞い酒も供えものではなくちゃんとご自身で仕入れて提供してるとか。ええねぇ。

そろそろ片町のスナック行かなきゃ、ということで神社を後に。21世紀美術館はライトアップされていていい感じだった。
ここ、次回は来よう。餃子美味いらしい。
携帯の充電器なくなってその後はキャッチのにいちゃんネェちゃんに世話になる。みんなやさしい。

メロメロポッチのにいちゃんに紹介されたカレー屋さんにはなんか変な感じで断られた。変わった人だとは聞いていたけど、悔しい。なんで入れなかったんだろうと近くの立ち飲み屋のマキコさんに愚痴っていたら、いいとこにつれてってあげると。
電話し始めるマキコさん。
連れていかれた先には超大量のドライフラワーや朽ち果てた植物、なんとも言えない絵が飾られた
なんか、生気を吸い取られた気がした。
ちょうど私が着ていた服も葡萄柄のトレーナーで、なんとなくここに呼ばれたからこの服選んだんかな、、っていうくらいまぁ変な服なんだ。
喫茶店らしいけど、なんか、もうかなりおかしな気分。アーティストであるママと話していても異次元にいる感じでふわふわ。あなただけの空間を作るべきなのよ、とどんどん洗脳される。なんだろうこの感覚…頭ふにゃふにゃになってきた。マキコさんとこに帰ろ。

と、そこにさっき入れてもらえなかったカレーやさんとすれ違う。『なんて言えば私はお店に入れたのでしょうか?』と旅の恥はかき捨てとばかりに聞いてみた。

すると、おいで。と店に入れてくれた。
カレーのご飯をほとんど炊かないとか謎がいろいろあるんだけど、この店に辿り着いた理由や旅の話なとしていたら『だいぶ理解し合えたね』と。『今度金沢来るときは電話かけて来てね。』と。は〜うれしい。また来る楽しみができた(^ω^)

再びマキコさんとこ戻る。常連ばかりの店でみんな友だち。あぁ居心地いい。最近ポンコツなんだ〜と話すとポンコツでいいのよ。と。弱みがある人の方が魅力的なんだからと。や〜いい人ばかりだ。
愉快な仲間とは別れて彼らが勧める金沢のゴールデン街なる片町の美食街へ。
が、なんと、ここでもまた入店を断られたw 今回はマスターに試されたのだが、時間もなかったので宿に戻る。ここは次回絶対にリベンジだ。
ハッチに戻りシャワー浴びて外でマッタリしていたらハッチのバーで飲んでいたおっちゃんらと合流。
右の人は後から来た代行さん。おっちゃん、代行さんにも飲ませようとする。『代行が代行呼べばええんや〜』とニコニコ。
『今度松茸の会やるから来いや〜(^ω^)』とな。
1日目おわり。

2日目。また市場から。
朝の方が魚も多くて活気があってええね。
また甘エビたべた。
朝食のハマグリとアオリイカ。
朝8時から日本酒飲んだら眠い。おっちゃんは『寝てったらええやんガハハハ』とな。
気を取り直してシーラカンスK&Hの金沢海みらい図書館へ。近江町市場前からバスで15分ほど。建築家曰くケーキのハコ。まさに。
全面パンチングウォール。積雪が多い地域で天窓からの採光がとれないからこうなったんだとか。
2.3階ぶち抜きで、とにかく明るく気持ちがいい。原広司センセーの宮城県図書館のあの暗さは一体なんだったんだろうとつい思ってしまった。。公共施設は明るい方がいいなぁ。。
あ、玉川図書館や海みらい図書館など公共施設の場合はちゃんと館内撮影の許可とってますんで。一応書いておく。

で、そろそろ回転寿司食べようとまた近江町市場へ。東京の人は金沢の回転寿司というとまいもん寿司をおすすめするけど、地元の人に聞くとみんなもりもり寿司か大倉を勧めて来るので、大倉に行ってみた。
うまかった!回転寿司で十分満足できますな。でも、回転寿司で比較するとやっぱり道産子から見ると北海道の方がネタのラインナップや魅せ方は段違いでレベル高いかなー。

午後の東茶屋街に向けて橋場あたりを歩いていると柳宗理の記念館が。金沢の美術大学のセンセーをしていたんだとか。
このキッチン買いたい。
そんなこんなで東茶屋街へ。趣あってええですな。
観光客多スギィ
お目当はこちら。芸妓さんの芸を見に、遊びに来た。
金沢観光協会が主催の会でひと月前には申し込み。
実際に一緒に遊んでくれるの。とにかく陽気で優しくて可愛らしくてもう、すっかり虜になりましたん。
金沢のお茶屋さんは一見さん御断りだから芸妓さんに会える機会はほとんどないけどいつか入れるような人になりたいわぁ。。旦那衆ならぬ女将衆になりたい。

隣のおっちゃんはここ一年ほど芸妓さんにハマっちゃってわざわざ栃木から会いにきてるんだとか。もう定年過ぎたからこのくらいの夢、いいでしょうと。
とてもたのしそうでこちらまでハッピーな気持ちに。
  
でれでれ
東茶屋街は観光客で溢れてるんでそそくさと退散。ハッチ向かいの禁煙室なる喫茶店で2回目のランチ。
ここのお母さんもサイコーだった。今回の旅、とにかくカウンターで話した人みんなあたり。
お茶屋さんのことから芸妓さんのことからいろいろ教えてくれた〜(^ω^)
観光客向けに作られた洒落たかふぇーなんかじゃこういう体験は得られんのよね。だから私は観光客向けの店には入らない。
ハンバーグまいうー


で、最後に移動。兼六園前から1日ニ本出ている温泉地行きのバスに乗って45分、片山津温泉 総湯へ。
谷口センセーの作品の中でも新しいし、温泉は初めてなのではと!
葛西臨海公園展望広場レストハウスにとても似た造り。
谷口建築の魅力のひとつが建物までのアプローチとスロープの美しさ。
惚れ惚れしてる間に日が暮れてきた。

お風呂もサイコー!
中は撮影できないからWEBサイトどうぞ。谷口センセー建築の温泉に入れる日が来るなんて…シアワセすぎた。

風呂上がりに屋上へ。
浮き上がる建物がまた美しくてうっとり。
この後空港まではタクシーで。
温泉上がりでポカポカの体で小松空港出発。金沢上空。

あ〜楽しい旅でした。まだまだ行きたいところや会いたい人がいるからまた来よう。
情報をくれたみなさまありがとうでした〜❣️