小学生の時の夏休みの宿題はいつも最後の3日でやっていた。
学校に着くのも始業時間ギリギリ。
朝起きるのだって限界を少し超えてしまっていた。

そんな子ども時代を過ごしていたので、「余裕」の心地よさに気づくのにだいぶ時間がかかってしまった。
大人になっても、待ち合わせ時間の5分遅れが自分にとっての定刻だったし、提出物だって締め切り時間ちょうどに出してよっしゃと思っていた。

ずっと時間に追われる生活をしていたので、何か手をつけようとすると気が重く、とりかかること自体に時間がかかってしまっていて何をしても”気持ちよく”はなかった。

そんな自分が余裕の快感を手に入れることになるきっかけはひょんなことだった。
昔付き合っていた人からふいに学んだのだ。
彼は1日20時間近く労働するworkaholicだった。業務を押し付けられているというよりは、もう仕事が楽しくて仕方なくてのめり込んでいるといった印象だったので特段辛そうではなかった。家に帰るのは朝の6時。コンビニ飯を食べ、シャワーを浴びて、次の日のスーツに着替えてそのままソファで1時間寝る。
そしてまた会社にでて行くという毎日を送っている人だった。

それだけ忙しいと自分のことに手が回らなくなってしまって精神的に追い詰められそうだが、彼にはなぜだか余裕があった。
家も常に綺麗な状態。そもそも家に帰っていないのだから汚れないだろうと思うだろうが、そんなことはない。例え滞在時間が1時間でも2時間でも、汚すなんてことは一瞬だ。それが毎日のこととなれば、一週間もあれば部屋はゴミ屋敷にすることだってできる。

彼の部屋が綺麗だったのは、すべての行動パターンがすべて「綺麗な状況をキープする」ために効率的に組まれていたからだ。
洋服を脱ぐ場所・脱いだ物を入れる場所・洗濯物の仕分け・クリーニングにだすタイミング・料理はしないと割り切るスタイル・ゴミ箱は必要最低限のみ。
当たり前のようでなかなかできないものだ。自分で決めたパターンに従うだけで、貴重な時間を無駄にせず、作り出せた時間をすべて夢中になっている仕事に費やすスタイルはとてもかっこよかった。

まぁ、毎日20時間も仕事に費やされていたのでわたしはほとんどかまってもらえなかったんだがな…w

で、上記のスタイルもとても勉強になったのだが、さらに彼から学んで一番よかったと思っていることをひとつ。
それはちゃんと「ストック」しておくということ。本当に単純すぎて些細なことだが、これを知ってから生活というよりは、気持ちの余裕についてすごく考えさせられることになった。
彼の家には常にボディソープは2つ、石鹸は3つ、歯ブラシは3本、歯磨き粉も3本、洗濯用洗剤と柔軟剤も必ず1本以上、と少し多いけど常にストックがあった。
日曜日などのやすみの日に欠かさず補充をしていたのだ。当たり前でしょ〜という方もいるでしょう。でも、一人暮らしをしていて毎週欠かさず自分のスタイルに合わせて意識してストックに励めている人はどれくらいいるだろうか。ある友人はわたしに「トイレットペーパーがちゃんとあるだけですごいと思える自分を反省した」…と言っていた。

以前のわたしもストックしておくという概念自体が頭の片隅にもなかったので、いつもギリギリの状況になってから「なくなる前に買わなくちゃ」となくなるまで毎日ずっと焦燥感とともに思い続け、いざなくなった日にも「あぁ、今日も買い忘れてしまった…」と嘆きながら夜中にコンビニに向かったりしていた。
ストックの心地よさに気づいてからは時間の余裕がある時にストックを購入する行為がもう楽しくて仕方がない。必要に迫られてという心理ではなく、いいものをじっくり選ぼうの余裕スタイルに変わっているから。心の余裕はちゃんと考えればいくらでも作り出すことができるということを学んだのだ。気持ち的には歩けるようになったクララといえばわかりやすい?(おおげさ?)
 ※ちなみに、amazonの定期便とかもいいけど、余裕があるときに色々比較して購入する方が新製品やトレンドなどわかるのでいいと思っている派。

ストックはものだけの話ではない。何か話をして、と言われた時やアイデアを出さなければいけない時、誰かを連れて行かなければならなくなった時、様々な場面で自分の中にストックされた情報や人を出さなければならなくなったりする。
いざという時のため、未来の時間のために、毎日出会うものをストックする癖をつけると、未来の出来事が楽しくなる。

今のわたしはただ今を生きているのではなくて、未来を楽しくするために生きていると思うのはとても”気持ちいい”こと。

では、今日はこのへんでさようなら。